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真実と真相(5)

     気を取り直して、彼女はまさかとは思うが間違って残りがカバンに入っているかもしれないので、カバンの中を丹念に探してみたが現金はなかった。 


「この中にはありませんよ」と幸子は言った。 


ほかの人も、一応自分のカバンの中を見たりしていた。 彼女は、お金に目がくらむことはなかった。 まだ若く、しっかり仕事をしていくことで精一杯である。 ましてや盗みのできる性格ではなかったので、島木は彼女を疑ったりしなかった。 


「さっきハンカチを出すためにバッグを一度引き出しから出しましたけど、あとは朝来たときにちょっと机に置いただけです。 私は、島木さんの上着には触れていませんよ」 


「ええ、判っています。 外部の人も入っているし、上着を置いて席を立ちましたから、私の責任です」 


島木は自分の管理が悪いので、これ以上騒ぎ立てるつもりはなかった。 自分に非があるのである。 島木は幸子のあどけなさを残しているくらいの若さと、純粋な雰囲気に羨ましさを覚えていた。 島木は定着した路線の上を走るサラリーマン生活を送って、少年のころ抱いた希望など薄れていたので若さあふれる幸子の前に広がる未知の将来に可能性と頼もしさを感じたくらいだ。

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真実と真相(4)

     幸子は、OLをやって3年目になる。地味だが真面目な良い子である。  彼女は仕事にやっと慣れ、単調な毎日で終わらないよう習い事を楽しみにしていた。 席は近いが島木とはあまり話をしたことはない。 しかし、嫌みのない島木には好感を持てるタイプだと思っている。 


     幸子は、今日着付け教室のお稽古の日で荷物はロッカーにしまってあるが、貴重品の入ったバッグは持ってきて机の一番下の引出しに入れている。 「落ち着いてよく探してみましょうよ」と、彼女は言った。 他人事とはいえ、内心大変な事になったと思い驚いていた。 椅子の下などを見回してから、彼女は自分のカバンの中に入っていることはまずないと思ったが、一応調べてみた。 するとそのまさかの封筒が入っている。 


「こ、こ、これですか」驚き慌てふためいて幸子は言った。 


「あっ、そうです」 


「どうして私のカバンの中に・・・」と、言いながら幸子は島木に封筒を渡した。 島木は軽くなった封筒の中を見た。 


「大丈夫ですか。 ちゃんとありましたか」と、島木の顔をみて幸子が言った。


「3万円しかない」


「ええッ! 27万も足りないじゃないですか」と言って彼女は茫然とした。 

真実と真相(3)

     社内の人間には物を盗むような人はいなかった。 皆、モラルはきちんとしており疑わしい人など誰もいない。 しかし、会社は部外者の出入りも結構多い。 事務所の工事関係者は作業服姿で廊下を通るし、関連会社で常駐して電話の配線を変える仕事の人もいる。 プロジェクトが立ちあがると、社内の一部のレイアウトを変えることは多い。 部外者が島木の席に来れば目立つのだが・・・


     島木はポケットをよく調べ、その辺に落ちているかもしれないので足元を見まわしてみたが見当たらない。 ついに隣の席の人に「あのぅ、封筒を見ませんでしたか」と聞いてみた。 「いいえ」と彼は言うと、彼も一緒に机の上を探してくれた。 真剣に何か探している様子を見た島木の前の席の女子事務職員の幸子が、「どうかしましたか。 探し物のようですが」と言った。 


「ええ、封筒です。 上着のポケットにいれてあったのです。 実は現金30万が入っていたんですよ」 


「ええっ。 そんな大金! 大変ですね」と言って彼女も一緒に探し始めた。 何に必要なのかは知らないが随分大金を持ち歩くのだな、と幸子は思った。

真実と真相(2)

     彼女との関係はいつか断ち切らなければいけないと判っているが、お互い引き合うものがありズルズルと続いていた。 妻子がありながら、無責任なことは続けられないと思いながらも行動は伴わないでいた。 彼女も同じ気持ちで、どちらも別れを切り出すのは嫌だった。 彼女にお金を渡そうとしたのは、別れ話にお金で片をつけたいからではなく、自分の気持ちとして渡したいと思ったからだ。 彼女にしてあげられる事と、共有できた時間の感謝の気持ちで、役立つようお金を渡したいと思った。 せめて自分のできる限りのことをしたいと思う善意からだった。


     そんな思いやりの部分が彼の魅力の一つだったのかもしれない。 職場に着くと彼はいつものように席について仕事をしていた。 上着は椅子の背もたれにかけて仕事をしている。 ポケットの中の現金のことは忘れてはいない。 席から近いテーブルで15分位4~5人で会議をしたが、上着は眼の届く真向かいの場所でしっかり自分の椅子にかけてあるのはいつでも確認できる所に座っていた。 席に戻って仕事を続け、やがて昼食時間が近づいた。


     島木は食事のため外へ出るので、気になる内ポケットを調べてみると、なんと無くなっているのだ。 あの現金の入った封筒が。 ヒヤリとして、もう一度よく調べるが無い。 まさか・・・ 誰も来なかったのに変だ、と島木は思った。

真実と真相

 1回 事件


     島木孝雄は一部上場の建設会社に勤めるサラリーマンである。 今日は上着の内ポケットに現金30万円の入った封筒を入れている。 職場に向かうため家を出て歩きながら、その封筒を少し持ち上げ重みを感じとって確認すると、再びポケットの中にしっかり沈めて胸に手を押し付けた。 普段はこんなに現金を持ち歩いたりはしない。 いつもなら多くて数枚の一万円札を財布に入れているだけで、万が一急な買い物をしたとしてもカードがあるので現金は持ち歩かない。


     彼は今日、愛人に会ってお金を渡そうと考えていた。 これまで島木は不倫に憧れを持っていたが、そのような事は人ごとだと思っていた. しかし思いもよらず彼女と知り合い不倫に発展したのは自分でも信じられなかった。 今日は彼女に会えるのが嬉しく、気持は明るく弾む。 忘れかけていた恋人気分とロマンス。 島木は女性を利用するだけ利用しようという悪い男ではない。 ゲーム感覚の不倫ではないが、いつかツケが回るというリスクはあまり考えたくなかった。

ご挨拶

長きにわたりタカ爺の短編は続いたが、ワシのスケベ根性は不滅じゃ。 
せめて読者の皆様に笑いのパワーとエネルギーを授けたいと思っておるとこるじゃ。 
ワシのスピリチャルラインは、思い迷わず適度な努力、こだわりを捨てることであった。 又逢おうぞ! 舞い戻ってくる。

作者マドンナお吟は次に向けて執筆活動をしておる。

癒しの音楽

     占いを頼って次第にタカ爺の所に常連客が来るようになった。 虫の知らせが効を成し、ここまで成長した。 自分で作った薬草と煎じて飲んでいるだけでは、知れている。 易学をもっと極めるように日々努力しなければならない。 現在弟子はいないが、弟子になりたいと言う人物が現れてからでは遅すぎる。 スケベ根性のみで生きていたタカ爺だが、人の悩みを聞いているうち、生半可な事はできないと感じている。87


    幾つになっても、人間は成長するものである。 苦難は必ず付いているもの、生きる上で人間は平常心を持つことが大切じゃ。 その困難との付き合い方が難しい。 困難が平常心を乱し、怒りや裏切りに結びつくのに間違いない。 充実感を持つ事、夢と努力、これが人間を幸せにするのだと、タカ爺はつくづく思った。 思ったら実行に移すと云うのも、簡単そうで難しいが、まずはそこからはじめる事が大切じゃ。 たまにゃ、このワシも良い事を思うものじゃ。 510


     ワシがちょっとばかり癒したところで、根本的解決にはならない。 だから解決策のひとつに、音楽療法をとりいれてみよう。 クラッシック音楽を植物や動物に聞かせると効果があるのは実証済みである。 自然を思わせるせせらぎの音、甘くとろける音楽に心を和ませ落ち込んでいる人に元気を与えるようなものが良い。 タカ爺は癒しの音楽入り教材作成にとりかかった。281


     そしてできあがったのが、音楽CD「チョビットチョッカイ」である。 大自然を思い浮かべるような調べの中から、タカ爺は曲の合間に台詞を入れた。 「チョビットチョッカイ 爽快 快♪」 クラブ会員にすると効果があるな。 タカ爺は、大きな口を開けて笑っていた。 434

出番です

     今日は何処かで何かイベントがあるのか、大勢の人が通りいつもより賑やかだ。 皆、目的に向かって歩いている。 そこへ思い悩んでいるような女性が来た。 年齢は20代後半だろう。 恋愛に悩み、適齢期で揺れ動く大変な時。 今の時代の珍しい話ではない不倫のようだ。 適当な出会いのない所へ悪い男と出会ってしまった。14  


     相手の男は何と言っているのか、タカ爺は詳しく聞くわけにもいかない。 彼女は人の夫を奪う程のエネルギーはなかったし男並みに働いて独身で生きるのは耐え難いと感じていた。 しかし、自分のしていることは判っていたが彼とは付き合っていたかった。42 


     「すべての恋が実るわけではない。 難しいかもしれないが、別の事に目を向けるようにしたほうがお互いのためじゃ」と、タカ爺は言って占いの結果は破局であるとやんわり告げた。 「あなたは必ず癒されることじゃろう。 目の前にある幸せに気づけないこともあるし、新しい出会いもあるのじゃ」と、言った。 自殺を選ぶ繊細な神経を持つ人も居るので慎重である。31 


     だからこのワシと付き合えば良いのじゃ、と内心思った。 「ワシが手助けするとしよう。 ワシのセラピーを受けると良いのじゃ」と言うと、思いっきり彼女の手を握り締めた。 勝手な話だが、ワシとの新しい出会いじゃ、と下心はタカ爺も同じこと。 


「別れる努力をする気はあるのかね?」


「自分でもそうすべきと判っています」


「本当かな」


「あんたの、その疑り深い目が好き!」とでも言ってくれるのではないかと、慰めたつもりでストレス解消するタカ爺であった。

日本の将来

     「太郎やーい」と呼べば皆が振り向くほど世の中は太郎で溢れていく。 金蔵で産まれたとおぼしき金蔵太郎、酒蔵で産まれたとおぼしき酒蔵太郎。 気づくと、右を向いても左を向いても太郎ばかり。 色々な価値観を持っていたはずだが、多様化しながらもこの2種類の人間ばかり目立つようになっていくのではないか。 タカ爺は、どちらにも所属しない人間は滅びつつあると真剣に危惧している。 10


     弱者切り捨てで医療費は削られ物価高騰、貧富の差が広がりニ極化するうち貧しい者達が滅びていく社会現象になっている。 すると富裕層のみが生き残る世代か繰り返されていく。 生残れる者達が生き残りを果たし、淘汰されていくうち完璧に富裕層しか生き残れなくなっていくと世の中金持ちばかりになるのではないか。 45


     誰でも「金だ、金だ、なんたって金だ」と言って、死ぬ時小判を握り締めながら死ぬつもりではないが、生きるにはお金が重要さを増す厳しい時代である。 人間が淘汰される過程で、お金を積み上げていく性格の遺伝子を持つ子孫が増えて、金蔵太郎が増える。 不良所得を持つ富裕層の中には「酒だ、酒だ、なんたって酒だ」とまでは言わないが、飲めや歌えのドンチャン騒ぎを楽しんで過す人物が増えても不思議はない。 望むなら金持ちは毎日遊び暮らす事ができる。 61


     すると酒飲みの遺伝子を残してこの世を去る者が多いため、いずれ国民ほぼ全員お酒の味が解る、お酒に強いDNAを持つ太郎ばかりになるではないか。 374


     タカ爺はそんな社会現象は放っては置けないと、日本国民を憂える今日この頃だ。 笑い話とは言えない深刻な社会問題ではないかと思った。 そんなタカ爺の手にはしっかりと焼酎のビンが握り締められていた。 株券は電子化したし、お金に働かせる時代になると考えながら「ヒクッ」とほろ酔い気分で。 「これを飲み終えたら、酒蔵から新しいのを持ってこようっと」 496

駆除対策

     タカ爺は自家菜園をやっているので害虫駆除というより虫の捕獲と無農薬野菜を完全に分ける事に苦労している。 何か良い方法は無いだろうか。 植物にも虫にも無害な無農薬で虫をおびき寄せる方法である。 タカ爺は自分で作った媚薬を10倍に薄め、香辛料や、蜂蜜を加えてみたりして思いつくありとあらゆる液体を調合してプラスチックスプレーの入れて吹きかけて実験を繰り返した。7


     そのたびに効果無しの結果で、何度挫折しかけたかわからなかった。 調べたり結果をまとめたり、完成させるには大変な努力である。 しかし濃度の濃い物より低濃度の方が効果のある事がわかった。 そしてついに虫が好んで集まるフェロモンを完成させた。 「やった!」 タカ爺は根気良く実験を繰り返し、吹きかけた所だけに虫が寄ってきた時の喜びといったら表現しようのない嬉しさであった。 見事に1箇所に虫を集める事に成功した。281


     これで野菜を虫に食われる可能性はグンと低くなった。 タカ爺は科学者が新しい発見した時、きっとこのような感激を味わうのだろうと思った。 いずれ女性を引き寄せるフェロモンを抽出したら楽しみだ。 人間のフェロモンはあまり一般的な発想ではない。 脳が発達しているので無理を承知だが夢は大きく広げたい。 完成するには更なる根気と地道な努力の要る実験だが、タカ爺は自分に吹きかけて実験を重ねた。294


     いつものように、実験過程の未完成の液を自分の身体に吹きつけてみた。 洗い流したはずだがどうした事だ。 夜寝ている時に、やたらゴキブリがそばにやってくる。 394

プロフィール

マドンナお吟

Author:マドンナお吟
年齢不詳で正体不明

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